不動産の売買や賃貸に不動産業者を仲介すると仲介手数料がかかります。
この手数料が高い!無駄じゃないのか?仲介しただけでこんなに取るの?
と不満を持つ人は一定数います。
確かにトントン拍子で契約が決まり、すんなり何もなく引き渡しが完了したとなると、不動産屋は特に何もしていないじゃないか?テンプレートの書類を作ってハンコ押させただけじゃないか?となって、手数料を安くしてほしいと思ってしまうパターンが多い。
では不動産屋さんに支払う手数料って何に対して支払っているのか?
- 売買、賃貸の相手方を見つけてくれる、または見つかるように手配してくれる(宣伝など)
- 希望の物件条件の情報が入ったら教えてくれる(主に買う、借りる場合)
- 契約両者の間に入って交渉してくれる
- 契約に必要な書類作成
- 各種届け出先などとの連絡や調整
- 物件状態の確認やアドバイス
というのが主だったところ。
一般の人からすると、不動産屋をかまさなくても契約相手は見つかったんじゃないか?それならこんな金額の手数料は高い!となりがち。特にトントン拍子で契約相手が見つかった場合は。
書類なんて普段作っているテンプレートだろ?慣れていることで大したことやっていないのにこの金額?
みたいな不満がぞろぞろ。
こういった不満は無形のサービス対価に起きがちです。
漫画なんか違法な海賊版サイトで無料で見る人が増えましたが、見るだけなのに500円とか高い、もったいないという感覚です。
でも漫画を作るには作者の取材や体壊すほどの長時間執筆にストレス、出版社の調整や宣伝など色々なものが積み重なってできたモノです。
実際に漫画家になってタダ見されたと考えたらどうやってメシ食えばいいんだと簡単に想像できるでしょう。
では不動産の手数料はどうか?
まず上記のリスト全てを自分でやるとなると、初めてのことと慣れていないことなのにで、何をどうすればいいか分かりません。そしてイチイチそれを調べては間違えて時間と苦労が想像以上にかかります。
不動産屋さん無しで仮に契約できたとしましょう。
終わった時にとんでもない疲労感と、これなら金払ってやってもらったほうがよかったな……となる可能性大です。
それ以外にも不動産屋さんの手数料には大きな意味合いがあります。
保険としての役割です。
不動産というのは金額が大きく、プロでもたまにはめ込まれて大損するような世界です。
一般素人同士が直接契約した場合、契約条件面で抜け、漏れがあった場合、また物件に問題があった場合などが問題です。
不動産屋さんが仲介してもこういうことは起きます。
細かいことなら費用面を不動産屋さんが被って契約が破断にならないようにすることが多いです。
これが仲介なしだと一般個人同士の話し合いになります。
そもそも不動産の知識がないので感情面が表に出やすくなり余計に揉めたり交渉が長引く可能性が大です。
つまり不動産屋さんに支払う手数料というのは、ある意味保険みたいな役割に対しての対価でもあるのです。
だから契約時は「高いよな~。こんなに支払う意味あるの?」と思っちゃいがちなのですが、保険という性格もあると考えたらべらぼうに高いという感覚は薄くなるのではないでしょうか?