不動産の買主、借主が一向に見つからない場合は不動産屋が力不足なのか?サボっているのか?

不動産を売りたい場合、または貸して収益を得たい場合、ほぼ間違いなくみなさんは不動産屋さんに依頼します。

これが一番早く買主、借主を見つけることができます。

ただうまく見つからない場合もあります。

こんな理由。

  1. 諸条件が需要に合っていない(価格や仕様、立地など)
  2. 不動産屋さんが積極的に買主、借主を探していない

価格が高すぎたり、不人気エリアだったりすると買主や借主は当然見つかりにくくなります。

田舎の空き家なんてその代表例。

それ以外にも不動産屋さんの事情もあります。

不動産屋さんはビジネスです。ボランティアではありません。

利益を出すには仲介手数料だったり安く買い取って高く売った差益が必要です。

となると、売れない、借りてくれない物件に必死になるより、人気だったり少しの努力で成約する不動産に注力します。

不人気の商品を売る、客に興味を持たせるというのは至難の業。

だったら売れやすい、借り手が見つかりやすい不動産に注力したほうが稼げるわけ。そもそも条件が悪い不動産は後回しにされてしまうのは当然です。

ただ、不動産屋さんがサボっているかというとそうではなく、不動産の買主や借主を見つけるための努力作業はかなりやることが限られています。

  1. レインズという不動産業者間の不動産サイトみたいなのに物件を登録して他業者に見つけてもらう
  2. HOME’SやSUUMOなどのネット不動産情報サイトに登録して幅広く見てもらう
  3. あそこなら興味を持ってくれそうという会社や個人に連絡を取る
  4. チラシを撒く
  5. 物件に募集看板を置く

こんなところです。

この中で不動産業者の差がつくのは3番です。

ただこれは「ある程度は売れる不動産」の場合です。

不動産情報サイトには多数の土地建物が登録されていますが、実は良い物件ほど表に出ずみなさんが知らない間に成約取引されています。

本当に売れる不動産はネットや広告に出すまでもなく買主が決まっちゃいます。

ただまあそこまで人気物件でなくても、あそこなら興味持ちそうだな、あの人はこんな物件探していたからこっちもイケるんじゃないか?みたいな情報を駆使し、本来なら成約まで時間がかかったであろう物件をスパッと成約させる不動産屋さんもいます。

ここが不動産屋の腕の差です。いわば顔の広さだったり情報ネットワークの広さ、経験やカンによるひらめきですね。

しかしこれが効くのは需要がある不動産に限ります。極端なこと言えば田舎のボロ空き家をこの方法で成約させることは事実上不可能です。

チラシも地域限定の住宅でしか効果ありません。あと案外とコストがかかるので不動産屋さんもやる気がある物件じゃないとやりません。

あとは物件の土地や建物に不動産業者のノボリや看板を設置するくらい。

ここまで見て分かるように、不動産屋さんができることは

  1. 多くの人の目に触れるようにする
  2. 興味を持った人の問い合わせに対応する

という受け身の商売が基本。

だから不動産屋さんがサボっているというのは通常考えづらい(本当に何もせず放置しているトラブルが絶対にないとは言えないけど)。

今の不動産屋では問い合わせもないし他の業者に依頼してみよう!

と業者を変えるとすんなり成約までいったというケースもよくあります。

これは以前の不動産屋さんがサボっていたのではなく、新たに依頼したところの業者のネットワーク力が物件にマッチした可能性が高いです。

あるマンション一室がなかなか売れなかったけど、新しい業者に依頼してみた。

すると業者は過去にその近辺で中古マンション取引があった業者や、そのあたりの物件を扱っている仲介業者に声をかけていった。するとある仲介業者で、立地希望が少し違うけど似た物件を探している人がいるので紹介してみたら関心を持ってくれた……

とかがあります。

なので業者によって成約したりしなかったりというのは起こり得ます。

サボっているかどうかというより、どれだけ可能性を広げてくれるかどうか?そこが不動産業者の差になるでしょう。

そして不動産業者によっても物件やエリアなどで得手不得手(つまりネットワーク)があります。

ただ!結局売れる不動産は条件面だけで問い合わせが結構来るので、なかなか売れないな~借主問い合わせないな~という物件はその時点でハンデがあります。

不動産屋の力不足やサボりを疑ってしまう人もいるでしょうが、まず物件の需要があるかないかでほぼ決まります。

既に不動産屋さんは物件を登録公開してさらに多方面に声をかけて反応待ち。ただ反応がなかなかないというだけかもしれません。